イヤホンをバランス接続してみた

紆余曲折有りつつもXDP-300RとDN-2002を入手。

次の目標はバランス接続です。

 

DN-2002のリケーブル加工が終わったらXDP-300Rに接続します。

小さい方の2.5mm4極端子ですね。

 

以前在籍していたメーカーでは、

「ああいうコネクタは天才が設計するんだ」と言われていましたが、

実際あんな小さいのに4極も金属端子を入れ込む、

というか高いコネクタだとon off判定を別にさせたりする事から内部的にはもっと金属端子があったりするので、

まさに天才の仕業としか言えませんでした。

 

何が言いたいか。

小っちゃいのにあんなに詰め込みゃ、

そりゃ多少は壊れやすくもなるさ、って事。

バランス端子を大きくしたいってのは、

トラブルを回避したいメーカーからすると当然の流れだと思います。

ただ将来的にはDAPの更なる小型化が待ち受けているでしょうから、

現在はバランス接続する機種ならある程度のサイズがあるという前提で大型コネクタを採用できるでしょうが、

いつかこれが足を引っ張るのは自明です。

まあその時には新しい小型プラグで行くんでしょうけど。

 

閑話休題

IE80は左右が過度に混じっていて分離具合が良くないと主張されているサイトさんがいらっしゃいます。

いや、しっかりエビデンスを掲載されていますし、

主張ではなく実証ですね。

アンバランス接続でIE80を愛用していた私としては、

気にはなるけどそんなもんか?と思っていました。

IE80の勿体無い所はコネクタが独自形状なので云々というのは以前にも言いましたが、

それにもまして問題だったのは比較的入手しやすいバランスケーブルが結構良いお値段だった時期が長かった事。

大体そんな感じでバランス接続にたどり着くまでに時間がかかってしまいました。

 

DN-2002で初めてバランス接続した時。

「かな子、智絵里、お前らそこに立っていたのか…!?ああ、もう杏はチョロチョロして、本番中だぞ!」

音と場所がカッチリと嵌って、

まるでそこに彼女達が立っているかのような実在感すらがありました。

そう、それはまさに「音だけのVR体験」(by同僚)

良く考えるとVRなら私が位置を変えると…

まあ細かい事は気にしない。

それくらいの衝撃がありました。

 

と同時にIE80の欠点がハッキリと認識された瞬間でもありました。

あの真ん中辺でちょっとボヤーっとしてたのは音場感とかじゃない!

まあ好みの問題なのは確かなんですが、

バランス接続の衝撃はIE80への百年の愛も色褪せさせるものでした。

 

という事でDN-2002の魅力に取り憑かれたかの様に聴きまくるのですが、

聴けば聴くほど募る低音への思い。

DN-2002はもちろん良い子ですし、

総合的には明らかにIE80より上の力があります。

バランス接続とアンバランス接続の差がある以上当たり前ですが。

しかしもしIE80をバランス接続できたなら。

もしかして…

 

数年振りにIE80のリケーブル状況を調べてみました。

するとどうした事でしょう。

高価なケーブルは終売しており、

代わりに安価なバランスケーブルが出ているではないですか。

ていうか安すぎて効果に疑問すら抱くレベルですが。

G&V様のIE-2BAというシリーズですね。

色と2.5mm端子形状で何種かあるようです。

アマゾンのレビューは皆さん大絶賛。

噴飯モノの評価1もありましたが。

早速ポチって昨日届きました。

以来ずっと聴いています。

これがIE80の真価か。

いやもうコレは…

別物!

 

バランス接続できるDAP/DACは安くなってきました。

安い物だと5万を切る価格で選べたりするんでしょうか?

リケーブルも1万以下でありますし、

リケーブル可能なイヤホンも同様ですね。

 

今後のイヤホン、DAP/DAC選択で私が最優先する項目は、

間違いなくバランス接続の可否です。

とにかく違いが簡単に分かり、しかも良い方向に凄く変化する。

今まで聴いた曲全部を聴き直したいと思っています。

本気で。

 

IE80は非常な長期間に亘って大した値崩れもせず販売され続けている事からも、

いわゆる名機である事はお分かり頂けると思います。

私もそうでしたが、そのままでも数年戦える高いポテンシャルの持ち主です。

それですら見違えるように生まれ変わります。

あと10年は戦えるとまでは言いませんが、

未体験のIE80ユーザーの方には是非とも試して頂きたいです。

 

と、まあベタ褒めなんですが、

当然ながら好みの問題ではあります。

IE80もSENNHEISERがアンバランス状態のアレを目指してわざと音作りしてるのはほぼ間違い無いと私は思っていますし、

アレはアレで良いものなんで私も実際何年にも亘って楽しめました。

バランス接続で左右がハッキリ分離した状態のIE80は低音の具合こそIE80ですが、

アンバランス接続で存在したあの独特の空間は搔き消えます。

それをどう思うのかも含めて体験をしてみて欲しいですね。

 

で、DN-2002とIE80を同じ土俵で比べたなら、なんですが。

私としては結局DN-2002かなという気がしてきています。

価格差がある以上当たり前なんですけど。

XDP-300Rの機能を試していると、

IE80だと効果的に聴こえるけど、

DN-2002だと不自然に聞こえて邪魔というのが幾つかあるようです。

なので音源の再生を考えるとDN-2002の方が素で高い能力があると感じます。

ただ低音の量が全く違うので、

DN-2002がIE80の正当なアップグレードパスかと言えば、

それはひどい間違いとしか言いようがありません。

ダイナミック2発ならIE80を超える低音体験ができると期待したんですけど。

かと言ってIE800もまた全然違いますしね。

 

業界はハイレゾで盛り上げようと頑張っているようですが、

バランス接続の方がよっぽど分かりやすいと思うんですよね。

再生機器もジワジワと増えてきていますし、

そう遠くない先には中古も合わせて安価な部分でも選択肢が広がるのはみえていますので、

本当に是非ともバランス接続の楽しさをいち早く感じて欲しいと思います。

久々にスゴい体験ができました。